グレート・ギャツビー

村上春樹さんが長年あたためてあたためぬいて自分の技量が追いついてきた時にやっと翻訳にとりかかったというこの本。

原書の文章がいかに美しいかということをあとがき(か、対談本)で書いていたのを覚えています。私は洋書を読んでいてそういう感覚に陥ったことはまだない、というか洋書自体あまり読まないんですが、村上さんにとってのグレート・ギャツビーのような一冊に出会えたら、しかもそれを自分の手で翻訳できたとしたらどんなに素敵だろうと思います。そして、これまた村上さんが—これは対談本の中で—自分を翻訳家と名乗るのは畏れ多いと言っていたのを覚えています。それを目にしたとき、私はまだ会社勤めだったんですが、すでに「フリーランスの翻訳家」としてやっていこうと考えていたわけで、こんなすごい人がこんなことを言っているのに、私が翻訳家なんて名乗っていいのかと妙に焦りました。今でも翻訳家として名乗るのはなんだか気が引けて、何をやっているのかと聞かれれば、「在宅で、翻訳のお仕事をしています」というふうに答えています。名刺も作っていません。

とはいえ、じゃあどうなったら自信を持って I’m a professional translator と言えるのかと考えたところで、まだ答えは出ていません。目の前の仕事をコツコツこなしていくことで精一杯なのが現状です。でも、将来的には出版翻訳にも挑戦して、誰かのバイオグラフィーの翻訳を手がけることができたらと夢見ています。

 

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